今回は、上記のように考えてる人、特にAIによって仕事がなくなる不安を感じてる人向けのお話です。
結論から言うと、AIによってWebマーケティングの仕事が奪われるとは必ずしも言えません。
数年前から「広告運用の仕事はなくなり AI が代わりにやってくれる時代がすぐそこに…」などと囃立てる方が現れ始めましたが、仕事は一向に減らずにむしろ増えています。一体どういうことなのでしょうか。
— 川手 遼一 (@RKawtr) August 13, 2020
しかし、これまでの仕事の仕方等は変わると考えられます。
よく短絡的に「AIが発達すると、機械が人間の代わりに手作業・仕事してくれるので人間の仕事がなくなる」と考えてしまいがちですが、話はそんな単純ではないと思っています。
これまでむしろ、工場などの機械によって、人間の作業が一部代替されたことから、「機械によって職にあぶれる」に短絡的に結びついてる感が否めないと言うか。。
何より、「AI」とはそもそも何なのかがあんまり具体的でもなかったりしますしね。
この記事ではWebマーケティングとAIというテーマで書いていこうと思います。
目次
そもそもAIとは一体何なのか?
まずそもそもの前提として、AIとは何なのか?このことについて考えてみたいと思います。
というのも、「AI」とそれに関連するキーワードとして「人工知能」「機械学習」「深層学習」といったような、ざっくりした理解だけが独り歩きしているのが現状だと思うからです。
AIとはArtificial Intelligenceの略
まずAIとは、Artificial Intelligenceの略です。
これまで人間にしかできないと思われていた知的な行為をコンピューターに行わせることを研究する分野の総称(太田,2020)のことを「AI」と呼びます。
そして、現象や事象とそれにより残された結果、すなわちデータを収集してそこから何かしらのアウトプットを行う存在、それが「人工知能」になります。
AIと機械学習は別の概念
一方で機械学習はMachine Learningの略で、文字通り機械による学習のことです。ここでいう機械とは「プログラム」のことを指します。
機械学習とはプログラムがある得られたデータを学び、その学習内容を基に予測をすることです。
つまり、「AI」と「機械学習」は(似てますが)明確に別の概念であることがわかります。AI(人工知能)は機械学習を「主体」であり機械学習は「行為」です。
深層学習(ディープラーニング)は機械学習の一部
機械学習の他にも、「深層学習」もしくは「ディープラーニング」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
深層学習はDeep Learningともいい、機械学習の一種です。
ざっくり言うと、機械学習を更に発展させたものという位置づけにあり、「機械学習よりもより複雑な事象に対して学習ができる(例:自動車の自動運転)」ものと思っておけばOKです。
※機械学習と深層学習の違いだけで、非常に高度で専門的な話ができるくらいであり、この記事の趣旨から外れてしまうので、詳細は割愛します。
以下、まとめました。
より詳しく知りたい方は、本記事の参考文献等にぜひあたってみてください。
AIとは一体何なのか?
- AI(Artificial Intelligence)は、人間による知的行為をコンピュータに行わせる活動全般の総称。
- 人工知能は、AIにおける知的行為をアウトプットする主体(コンピュータのこと)。
- 機械学習は、プログラムが読み取ったデータを基に予測の結果をアウトプットすること。
- 機械学習の一種として深層学習(Deep Learning)も存在するが、機械学習よりも複雑なモデルという位置づけ。
AIはどんなところでWebマーケティングに使われてるの?
AIがWebマーケティングの仕事においてどのように使われているか、事例を用いて紹介したいと思います。
その1.Google広告の自動入札機能
インターネット広告の運用をしていれば、誰もが一度は触るであろうGoogle広告。
Google広告においては、広告のパフォーマンスを最大化すべく、Googleが創ったAIにより広告配信が調整されます(業界では「自動入札機能」と呼んでいます)。
このAIが広告の運用結果を学習し、その学習内容をベースにコンバージョンを最大化するようパフォーマンスを発揮することで、結果として投じた費用に対して多くの売上や利益を残すことが可能になるのです。
ここでポイントなのは、Google広告のAIが行うのは、あくまでも「配信結果に基づく最適化」であって、何もGoogle広告アカウントのキャンペーン設定やキーワード選定、広告文作成まで全てを担っているわけではないことです。
そのため、AIができることとできないことがあり、できないことは依然として人間がしっかりこなす必要があります。
そして更に、AIによる学習効果を発揮するためには、やっぱり人間側でAIが学習しやすいように設計する必要があることです。
したがって、AIで仕事がなくなるどころか、AIが仕事しやすいようにお膳立てをする仕事が、人間にはまだまだたくさん残っているわけですね。。
その2.AIによるSEOライティング
WebマーケティングにおけるAIは、Google広告だけではありません。
最近だと、SEOを意識したWebメディア向けの記事についても、AIがキーワードに対してSEOに最適化したライティングを行うツールが生まれています。
人間が人力でやるよりもAIがSEOに対して最適化した見出しや構成をアウトプットすることでライターの記事執筆をサポートする仕組みであり、これによりライターの作業効率が大きく改善できるようですね。
ここでもポイントは、何も「AIが全てのライティングを担っているわけではないこと」「AIが人間に代わって記事内容全てを執筆しているわけではないこと」です。
あくまでも、人間のライティングをサポートするに留まっているわけです。
それに、人の行動を促進する(人の心を動かす)ことをAIにできるのかといわれたら、あなたはどう感じますか?
人の心を動かすことって主体が人間であっても難しいことですよね。先程にも触れたように、機械はあくまでも得られたデータを学習ありきですし。
そして機械が学習するデータを用意するのは、まぎれもなく人間です。その人間ですら用意することが難しいものを、果たして機械がうまく学習できるでしょうか?
もちろん今後、テクノロジーが進化して、できるようになる日は来るかもしれません。しかしそれでも、人間にしかできないことや人間の方が有利なことってまだまだあることを考えると、安易に人工知能を恐れることも間違っているのではないか、と思うのです。
「AIはWebマーケターから仕事を奪うのか」への回答
改めて。
WebマーケターからAIが仕事を奪う…とは必ずしも言えないですよね。
確かに一部の仕事(作業)は、AIが代行してくれるようになったり、中には人間がやるよりもパフォーマンスが洗練されたものもありました。
しかし、だからといってマーケターの仕事がなくなる…、そんなことはありません。
とはいえAIが登場したことで、マーケターに限らずITに携わる人の働き方が変わる可能性が高いのは、間違いないといえるでしょう。
AIについて学ぶなら
そんなわけで、「AIについて学びたい!」と考えている方は、今一度自分が具体的に何を学びたいのか、そしてそれによって自分はどうなりたいのかもセットで考えてみてください。
というのもAIを学ぶといっても、学ぶ内容は人によって変わるからです。
そして何かを学ぶことは、それ自体が目的ではなく何かを成し遂げるための手段であることも、忘れないで下さい。
ちなみに、AIや機械学習分野の入門には、プログラミング言語のPythonを使った学習が中心になります。
AIについて学ぶなら以下のようなサービスがあります。↓↓
- ヒューマンアカデミー:文系人材でスキルアップのためAIの知識を身につけたい人向けの講座。
- TechAcademy(テックアカデミー)
:AIの構築に必要な機械学習・ディープラーニングを習得できる。
- PyQ™(パイキュー)
:機械学習を構築するPythonを学べるWebサービス。
最後に:これからはAIと共存することが大事
【この記事のまとめ】
- AIによって人間の仕事がなくなるかといわれると、そんなことはない。
- AI領域で起こっているのは、機械学習によって人間の作業効率を改善していることであり、人間の仕事を全て機械が担っているわけではない。
- それでも、テクノロジーの発展により、人間の働き方や仕事の仕方が変わる可能性は高い、というか間違いなく変わる。
これからのWebマーケターは、AIと上手く共存すること、すなわちAIを使いこなすことが必要になると言えます。いうなれば、筋斗雲を操る孫悟空、みたいな感じ。笑
なので、必ずしもAIを創り出すことではないのは、きちんと理解しておいてください。
いずれにせよ、AIによって取って代わられる部分はあると思いますが、あくまでも「AI(人工知能)を扱うのは人間である」という真実をしっかり抑えておけば、必要以上に焦ることはなくなるのではないでしょうか。
この記事をきっかけに、AIについて調べたり、AIを使って仕事してみたりするきっかけになれば幸いです。
- 知識ゼロからの機械学習入門(2020),太田和樹,技術評論社
- WebマーケティングにおけるAI活用事例を一挙紹介!【Web担当者・マーケター必読】|アクセス解析ツール「AIアナリスト」ブログ
- Webマーケターとして活躍したい!
- Webマーケティングを用いて更にキャリアアップしたい!
- 未経験だけどWebマーケティングに挑戦したい?
Webマーケターに興味を持ち、更に実務を積んで今よりもさらに上流の仕事につきたいと考えるなら、転職の専門家であるエージェントを活用していましょう。
特に、転職経験が少ない人や、転職初心者であれば、転職支援サービスを使うことで、企業が転職希望者に求めていることが分かります。
人生における重大な決断である転職を失敗させないために、良質なエージェントを活用して、キャリアップに挑戦してみませんか?