この記事は、職場の上司や管理職から、
と罵られて悩んでいる人向けの内容です。
かつて、私も同じような指摘を受けて、私なりに考えて動いてるはずなのになぁと不満に思っていました。
で、実は同じような悩みを抱えてる人が多いのでは?と思ったので、指示待ち人間のレッテルを貼られてしまった場合の対処法から、そもそも指示待ち人間が生まれる原因について、ちょこっと分析してみました。
指示待ち人間と言われる人のたった一つの特徴
それは、自分から誰かへ何かしらの働きかけをしないことです。
そしてもっと重要なのは、言われた本人が働きかけをしているかどうかではなく、他者から見て「○○さんは自分から何もしない人」だと認識されてしまっていることです。
自分から誰かに何も働きかけをしない
これって人の性格や特性にもよると思うんですけど、どうしても自分から人に何かを働きかけられない人も、中にはいると思うんですよ。
私自身もそうでしたし、あまり人に対して心を開かない性格ゆえか、誤解されることも多かったです。
ただ、自分から働きかけを積極的にしないのは、相手に声をかけるタイミングか否かを見極めたり、空気を読んだり忖度(そんたく)した結果、そうなるんですよね。
だから、指示待ち人間のレッテルを貼られて苦しんでる人って、本当の意味ではすごく主体的な人物のはずなので、すごく辛いと思うんですよね。。
ポイントは自分目線ではなく他者目線で映ってること
ただ、たとえこちらが忖度していたとしても、相手からしてみれば、
って言われるのが関の山。正直、空気を読むスキルが行き過ぎたのかなぁって落ち込むことも多かったです。
大事なのは「自分がどう思っているか」ではなく、「相手がどう感じているか、相手からどう見られているか」なんですよねぇ。
- 指示待ち人間と言われる人の特徴は「自分から働きかけをしない」こと。
- また、あくまでも「他者から見て」の評価である点に注意。
指示待ち人間であることの危険性
実際、指示待ち人間だと何が良くないのか、ちょっと考えてみたいと思います。
リスク1.前提として「指示待ち」自体が悪いとは限らない
まず大事な前提として、仕事によってはむしろ指示待ちスタイルで、指示の通りしっかり動くことが尊ばれる仕事もある、という当たり前のことを忘れてはいけません。
工場などの決まった仕事をするものから、パート・アルバイト、派遣などの非正規雇用での仕事は、むしろ指示待ちの方が社員から見て最初に期待される箇所です。
そうした仕事がある一方で、ホワイトカラーのような労働者個人の頭脳や経験が買われて仕事をする職種では、指示待ちではなく、個人の意見が価値を持つ仕事もあります。
そのため、本来は裁量を与えられていない非正規雇用の従業員に対して、
このようなことをいう上司の場合はむしろ上司側に問題があります。身もふたもない事を言えば、マネジメントスキルがゼロ。つまり、上司として無能であり、完全に失格です。
はっきりいって、上司にあるまじき人物像なので、こういう人が優遇される会社や上司からは、可能な限り距離を置いた方が良いでしょう。
リスク2.一番の危険性はキャリアアップの機会が失われること
上司からの評価等は、誤解を恐れずに言うとそれ自体は別にどうでもいいのですが、一番まずいのは評価が下がることにより、その会社で重要な仕事が任せてもらえなくなることです。
それにより自らのキャリアアップの機会が閉ざされてしまう、このことこそ最も危惧すべき事案になります。
これによって、同世代と比較して圧倒的にチャンスを逃したり、一生スキルが身につかなかったり…というケースに陥ってしまうこともあり得ますので。。
そのためにも、社会に出て数年しか経っていない若い人たちにおいては、自らが「指示待ち人間」と見なされないために、上司からネガティブな評価を受けないよう、地道に上手く立ち回る努力が必要になるんですよね(私もこれがすっごく苦手でした)。
もしあなたが今、同僚は楽しい案件に参画できてるのに、自分にはつまらない仕事ばかり回ってくると感じていたら、少し危機感は持った方が良いかもしれません。
- 仕事によっては「指示待ち」だったり、指示のみを忠実にこなすことが評価される仕事もある。
- 上司からの評価それ自体には大きな価値はなし。しかしそれにより、重要な仕事を任せてもらえなくなることが最大のリスク。
指示待ち人間はなぜ生まれる?
一度自分が「指示待ち人間」とみなされると、最終的には自分が損を被る自体になりかねないのですが、そもそも何故指示待ち人間は生まれるのか、根本的な部分について考えてみたいと思います。
マートンによる官僚制の逆機能
社会学者のマックス・ウェーバーがかつて官僚制組織について、約100年前に提唱しました。官僚制組織というのは、一言で言ってしまえば「大企業のような分業と協業によって成り立つ組織」のことを指します。
つまり、大企業のような組織の中で発生する出来事には一定の傾向があることが、すでに社会学者によって研究・解明されているわけですね。
さらに、マートンという別の社会学者が、官僚制組織においては次のような考え方や悪しき週間が生まれるとまで言い切っています。これはいわゆる、「官僚制の逆機能」と言われるもの。
以下、(あんまりよろしくないけど)Wikipediaから引用。
- 規則万能(例: 規則に無いから出来ないという杓子定規の対応)
- 責任回避・自己保身(事なかれ主義)
- 秘密主義
- 前例主義による保守的傾向
- 画一的傾向
- 権威主義的傾向(例: 役所窓口などでの冷淡で横柄な対応)
- 繁文縟礼(はんぶんじょくれい)(例: 膨大な処理済文書の保管を専門とする部署が存在すること)
- セクショナリズム(例: 縦割り政治、専門外管轄外の業務を避けようとするなどの閉鎖的傾向)
官僚制の逆機能にもいくつか特徴がありますが、「規則万能」「責任回避・自己保身」や「前例主義による保守的傾向」などは特に関連が深いと考えられます。
指示待ち人間と呼ばれる人の中には、「自分で責任を取りたくないから」指示待ちになる人や、「色々動き回っても組織の慣習や規則を個人で変えることができないから」そうならざるを得ない人って多いんじゃないでしょうか。
つまり大組織は根本的に指示待ち人間が生まれやすい仕組み
つまり大組織において指示待ち人間が生まれてしまうのはまぁ当たり前だよね、ってマートンは言ってることなります。
そのため、個人の努力うんぬん以上に大企業のような組織である以上、どうしても指示待ち人間が誕生するのは避けられないと考えられます。
もちろん個人が「自分は指示待ち人間ではない」と認識していても、組織運営体制の構築やその組織で上手に立ち回ろうと模索した結果、ことなかれ主義にならざるを得ないシステムができあがってしまうことって、多分いっぱいあるでしょうし。
なので、会社組織に置いて、指示待ち人間が生まれてしまうことはある意味仕方がないことだと、割り切って諦めた方がいいかもしれません。
すなわち必要以上に自分を責めてはいけない、とも言えるのではないかなと。
- 指示待ち人間が生まれる仕組みは、すでに社会学によって解明されている。
- 「官僚制の逆機能」をからも、組織において「指示待ち人間」が生まれるのは仕組み上仕方がないと考えられる。だから必要以上に気に病む必要はない。
指示待ち人間にならないための対策
では、指示待ち人間が生まれかねない状況において、個人一人ひとりが指示待ち人間にならない(正確には「指示待ち人間と見なされないため」)には、どうしたらいいでしょうか。
少し考えてみたので、是非ご覧いただけたらと思います。
その1.自分から積極的に話し掛ける
まず大事なのはこれ。
直接でないにしても、チャットワークやSlackなどを導入しているのであれば、こうしたツールを使うのもありだと思うんです。
相手からしてみても「この人に話しかけて大丈夫だろうか。。」と不安に思ってるかもしれませんからね。
その2.上司が困っていることに対して自発的に提案する
上司と話せる関係性を構築できたなら、今度は上司が抱えてるタスク等をチェックしてみましょう。そして、その中で上司が困っていることが何か、探りを入れてみましょう。
更に言うと、人が悩んでいることを掴み、そこから解決策を提案できるようになれば、あなたのマーケティングスキルは確実に上がります。
これ、マーケティングの訓練と思ってやってみるのも、割とありなんじゃないかな、と。
その3.それでも駄目なら環境を変える(異動や転職など)
どんなに上手に立ち回ったとしても、それでも上手く行かないことはあります。それに、そもそも人によっては会社員という働き方が苦手な人もいますし。
また、一個人が上司や配属先を選ぶことはほぼ不可能です。そのような場合、異動願いを出したり、最後の手段として転職も検討した方が良いでしょう。
もしくは専門的なスキルを身につけて、多様な働き方ができる方法を調べてみたり、今の自分で始められそうな副業(複業)に手を出してみるのもありです。
全てマーケティング活動を通じて学ぶことができる
こうしてみると、拮抗した状況を変えるために必要なことって、全てマーケティング活動を行なうことで見えるようになることばかりです。
相手の困っていることを知ろうとすることや、自分のことをきちんと発信して、相手に見つけてもらうこととか。
大事なのは、何かしら自発的に動いて、自分にフィットしたものを選ぶこと。
- 指示待ち人間の烙印を押されないためには、とにかく「自分から」働きかけて行動を起こすこと。
- もちろん、職場や役職によっては報われないこともあるため、転職も含めた環境を変える行動も選択肢に入る。
- マーケティングの思考習慣があれば、実は状況を切り抜けるための糸口は見つけられる可能性が高い。
最後に:人生を切り開くのはあなたの「主体性」である
今の職場で、指示待ち人間のレッテルが貼られてしまったら、挽回するのは決して簡単ではありません。
しかし、何も打つ手が無いわけではないのです。
最終的には、自らの主体的な行動次第なんですよね。だからこそ、もっと積極的に「自分はこうしたい」「自分はこう思う」をどんどん周囲に発信することが重要なカギになります。
少し勇気のいる部分ではありますが、一度思い切ってやってみてはいかがでしょうか。
また、指示待ち人間といわれて悩む人は、おそらく本当に受け身なのではなく忖度に忖度を重ねて気を使いすぎた結果、そうなってしまっています。
なぜなら、本当に受け身で指示待ちな人間は、そもそも「お前は指示待ち人間だ!」と言われて凹むどころか、多分開き直るでしょうし。
きっと本来は主体的な性格をお持ちですから、自分の主体性を発揮したり、もしくは発揮できる場をどんどん自発的に選んでいくのが良いかなと思います。