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努力が報われないのは頑張りが足りないから?〜為末大著『諦める力』を読んで〜

諦める力。

以前から読みたいと思っていた、元陸上のアスリートである為末氏が書いた書籍です。

ついに手に入ったので、早速読んでみました。

”諦める”ってどういうこと?

諦める、という言葉は日常でもよく出てくる言葉ですよね。

そして、大抵はネガティブなイメージで使われている言葉です。

「もう諦めたのか」とか「諦めたら試合終了だよ」とか。

そんな「諦める」という言葉について、為末氏が本書の冒頭で、それはどういうことなのかを次のように記されています。

「自分の才能や能力、置かれた状況などを明らかにしてよく理解し、今、この瞬間にある自分の姿を悟る」

(p2 為末)

つまり、今の自分の姿を冷静に分析して、現状どうなっているのかを受け入れる、ということですね。

そんな諦めるという言葉ですが、語源は「明らめる」という言葉なんです。

本書では、この「諦める」ことについて、為末氏が100m走から400mハードルに移ったときの自分の経験をもとに語られています。

 

努力は報われる…とは限らない

また、「努力は報われる」と、子供時代はそう教わって人は育つものたけど、実際の世の中は「努力が報われるとは限らない」ものであり、成功者がいる一方でその裏には数多の挫折者・失敗者がいることを指摘しています。

特に、適切なタイミングでアスリートの道を諦めずに努力をし続ける道を選択したために、セカンドキャリアがうまくいかず苦しい生活を送っているアスリートの事例などを交えながら、日本全体に、諦める、辞めるといったことを踏み出せづらくさせているものがあるのではないかと指摘します。

こうしてみると、むやみに「努力すれば報われる」と励ますのは、もしかしたらすごく無責任なことなのかもしれない、と思ってしまいますよね。

 

私の場合も、努力は報われなかった気がする

これは私自身も中学校から現在の社会人生活にかけて、たくさん経験したので分かる気がします。

例えば勉強、部活のテニス等やその他諸々。

頑張っていればいつかは努力が報われるんだーっ!って、かつての私も思っていながら取り組んでいました。

残念ながら、部活も勉強も思い通りの結果を手にすることはありませんでしたけどね…。

 

人にはそれぞれ適性(向き不向き)がある

自分が多大な労力と時間を割いて築き上げたものを、さほど時間も労力もかけず、その一方で圧倒的に室の高い成果を成し遂げてしまう人間っていますよね。

いわゆる、適性というものです。

適性を知るということは、現実の残酷さをつきつけられること、と捉える人もいるかもしれません。

為末氏は、自分が「人に勝ちたい」という思いがあるのならば、ライバルが少ないフィールド等で勝負するほうが勝ちやすいのではないかという、「戦うフィールドを選ぶ努力」の必要性を指摘しています。

つまり、自分の適性にマッチした分野を選び闘うということですね。

どんなものでも、長い時間がむしゃらにとりくめば、誰でもある程度はできるようにはなると思います。

しかし、それでも時間は限られていることを考えると、「一番労力が少なく成果が出せるフィールドはどこか」という発想をもつことは、ビジネスなどの必ず成果が求められる場であれば、絶対不可欠なのではないでしょうか。

 

頭を使って考えるという努力(頭脳労働)

自分の適性にマッチした分野で闘うということは、頭を使ってなるべく努力しないようなところで努力することです。

がむしゃらに体力を使って取り組むこともいいけれど、「どこで」「どのように」努力するのかといった、努力の方向性を考えるための「頭脳を使う」努力の必要性を感じました。

そうすれば、努力が報われやすくなるかもしれません。

ただ、頭脳を使うことを努力と捉える文化がないというか、それどころかこうした「頭脳を使った」労働や努力を「ずるをしている」「卑怯者」として、どこか蔑むような風潮がある気がしてならないですよね。

こうした、頭脳労働を妬むような発想から卒業しないと、将来ロボットに負けちゃうのではないか、と考えたりもしました。

 

「努力は報われる=素晴らしい」という考えに対して一石を投じる

全体を通して、世の中には「やればできるよ!」論調の、とにかくがむしゃらに思考停止して頑張ればどうにかなる的な本は山ほど氾濫してるけど、それらとは全く異なる気質の本です。

かつての自分も、ひたすら努力すれば、いつかは必ず報われると信じてやまない人間だっただけに、この本ともっと早く出会っていればもう少し違う人生だったのかなぁ、と思ってしまいました。

人間は、確かにがむしゃらにやればできるのはそうなんだけど、状況を冷静に見て、より戦略的に、自分が勝ちやすいフィールドを探してみるのも必要なんじゃない?そういうのを見つけるのも努力の一種じゃない?という、為末氏の醒めた視点が素敵でした。

こういうスマートな考え方ができる人はなかなかいないので、素晴らしいですよね。

 

目的を達成するための努力は惜しんではいけない

ただ、為末氏の前提にあるのは、最低限の努力は惜しまないこと(必要以上に頑張るべきでもない)であることを考えると、ろくに努力もしていない人がこの本を勘違いして、「別に頑張らなくてもいいや〜」と思う人がいるかもしれないけれど、決してそうではないことは念頭にいれておいてください。

 

あくまでも、為末氏の主張したい思いは次のとおりです。

手段は諦めていいけれども、目的を諦めてはいけない

(p38 為末)

つまり、目的(大会で優勝する、認められる)ための手段(水泳、バトミントン、美術等)を諦めることはあっても、自分が達成したい目的については決して諦めるな!ということです。

 

こんな人に読んで欲しい

努力教や一般的な精神論からは一歩引いた視点で書かれた本書は、何も考えずにがむしゃらに突っ走ることや、精神論を盲目的に美徳だと思っている人には、是非とも読んでほしいと思います(まぁ、そういう人に限って、この手の本を読むことはないと思いますけどね)。

ろくに考慮せず「努力し続ければ報われる」という思想に対して、見事に一石を投じた本と言えるでしょう。

特に子どもを持つ親御さんには、「努力は報われる」とはどういうことか、どうすれば報われるのか、もしくは報われやすいのかといったことも、キチンと教えてほしいと思います。

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HaraKit
大阪在住のWebマーケター。20代後半からWeb業界入りし、IT・マーケティングを身につければ、たとえ遅咲きでも人生・キャリアをやり直せることを証明すべく、日々情報発信中です。
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