- 自分の言いたいことが言えなくて困っている人
- 会話が苦手なために自分はコミュニケーション障害かもしれないと凹んでいる人
- 他者からお前はコミュニケーション障害者だと言われてショックを受けている人
上記に当てはまる人に読んでもらいたいです。
目次
コミュ障とは誰か?
コミュ障、つまりコミュニケーション障害という言葉自体を聞くようになったのは、私が大学生だった頃からでしょうか。
就職活動で自分の意見を思うようにしゃべれない就活生や、新米の社員とのコミュニケーションを試みるも、若手が喋ってくれないために意思伝上手くいかないと嘆く年配上司の声から、コミュ障という言葉が生まれたと記憶しています。
コミュ障とは、「自分の意見を上手く表現できない人」「内向的でおとなしい人」など、自分から何かを喋らない(又は喋れない)人のことを指す言葉だと、多くの人に共有されているかもしれません。
これはいわゆる「受動的なコミュ障」に当たります。
そんな「受動的なコミュ障」であることで凹んでいる人、傷ついている人に私から一言。
あなたは、単に得意とするコミュニケーション方法が他者と違うだけだから、コミュ障じゃないよ。
だから、必要以上の自分を貶めないでほしいのです。
おそらく大部分の方は、口下手だとか、緊張しいといったことで話すのが難しい、あるいは話すのが怖いといったことで、この言葉に関心をもち、そして悩んでいるのだと思います。
だから、「話すこと」は苦手であることを受け入れた上で、「話すこと」以外にもコニュニケーションの取り方はあるのだということを、まずは受け入れて欲しいです。
そもそもコミュニケーションとは何か
それは、自分の意見を相手に表現し、そして相手のそれを受け取ることです。
相手と自分の意思を疎通する方法は、話すこと、つまり会話だけではありません。
確かに、ビジネスのシーンや仕事関係でいえば、会話でのコミュニケーションは多いと思います。ただ、いろいろな方法があるということだけは、決して忘れないで下さい。
どんな人にも意思を伝達する上で、自分が得意とする方法があるはず。可能であれば、得意な方法でコミュニケーションをとってみましょう。
会話だけがコミュニケーションの手段ではない
漫画家の押見修造氏による『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』という、吃音症を患う高校生、大島志乃を主人公とした漫画があります。
自分の名前が上手く言えないためにクラスの仲間と打ち解けられない志乃ですが、メモでやり取りすればいいじゃないかと声をかけてくれる加代の存在のおかげで、志乃はときには加代と衝突をしながらも次第に仲を深めていきます。
ここから、コミュニケーション方法は、何も会話だけじゃないんだということが分かって頂けるのではないでしょうか。
そして、押見修造氏のあとがきを読んでいただければ、「上手くしゃべれない」ことは、決して悪いことではないということがわかると思います。
能動的コミュニケーション障害という存在
ここまで「受動的なコミュ障」を話題にしてきましたが、ここから、今回一番触れたいものについて触れます。
「能動的なコミュ障」です。
これも私の感覚ですが、
「お前はコミュ障だ」と相手を否定する人
ほど、よっぽどコミュ障の可能性があるのではないかと思います。
相手を罵倒する人の方がコミュニケーション障害であると考える理由
それは、「相手に対する理解」が足りないからです。
理解ができないのではなく、「理解をしようとしない」からです。
「お前は●●だ」と一方的に決めつけ非難する行為の裏には、まず自分を棚に上げていることが前提にあります。
もしかしたらその人なりに何か考えているのかもしれませんが、おそらく考えていてもかなり浅はかです。
そしてこれは、自分の行いを顧みないことに加え、相手のことを深く理解しようとすらしない姿勢だからです。
相手に対して理解しようとしない時点で、基本的にコミュニケーションは成り立ちません(理解しようとして理解できないのは違います)。
能動的なコミュ障は、相手(つまり受動的なコミュ障側の人)を「コミュ障」であると主張するので、どうしても彼ら(能動的コミュ障)がコミュ障であるということにスポットライトが当たりません。
世の中の法則
世の中は、
能力の有無にかかわらず、声のデカい人間が勝つ
という摩訶不思議な法則(?)があります。
彼ら(能動的コミュ障)が”コミュニケーション障害”として話題に上がることは、受動的コミュ障と比べると少ないかもしれません。
ただコミュニケーションの本質は「相手を理解しようとする真摯な姿勢」にあると、私は確信しています。
コミュニケーションの問題は自分一人で解決できない
結局のところ、コミュニケーションの問題は、どうしても自分だけでは解決できない部分があります。
もちろん、自分でどうにかできること(例えば、どんな方法が自分に向いているか取り組んでみたり、仕事でどうしても必要なときはプレゼンの練習をするとか)は、どんどんやった方がよいでしょう。
また、協力してくれる人、相談に乗ってくれる人もいると、なお心強いと思います。協力者がいれば、苦手な人とのコミュニケーションの間に介在してくれて、ときには円滑に進めることができるケースが多いからです。
いずれにせよ、コミュニケーションは自分だけでなく相手にも要因があるため、個人で改善できることには限界があることを知っておいて下さい。
それだけでも、だいぶ生きやすくなるはずです。
最後に
何度も言いますが、
コミュニケーションの問題は、自分一人ではどうすることもできない問題でもある
ということを理解しておけばいいのではないでしょうか。
能動的コミュ障のように、相手の話を聞かず、なおかつ自分を顧みないのですから、もはや他者からはどうすることもできません。
だから、もしあなたが会社の上司や知人から、内向的な性格ゆえに「お前はコミュ障だ」などと言われることがあっても、必要以上に自分を責めず、今自分にできることは何かを考えて行動していくことが大切かと思います。
どうしてもダメなら、コミュニケーション取れない相手からはフェードアウトしましょう。
参考記事
コミュ障って内向的な人だけじゃなく能動的な人も含まれてるよね、というお話「むしろ後者の方が実害大きい」