- Webマーケティングの仕事って将来性あるの?
- 業界動向はどうなの?伸びてる?年収は高い?
- 今後はAI(人工知能)や機械学習で自動化されるんじゃないの?
テクノロジーの発達に伴いインターネットを介したビジネスが発達しました。そんな背景からWeb業界やIT業界への転職を目指したり、その方面のスキル磨きをする人が増えてきているように感じます。
その一方で、人工知能や機械学習アルゴリズム等の発達により、将来自分の仕事がなくなるのでは?と不安に感じる人も多いのではないでしょうか。
さらに、Webマーケティングも消滅するんじゃないの?だとしたらやるだけ無駄なのでは?と不安に思う人もいるのかなと思いました。
目次
結論:分からない
結論はこれ。『未来のことは誰にもわからない』です。すんごい出落ちですが。。
Webマーケターの将来性はどうか、って話をときどき聞くけど、「未来のことは誰にもわからない」がマジな答えだと思います。
とはいえ、マーケティングを学ぶことで、少なくとも人間という2000年以上はほとんど変わってない生き物に対して強くなれるので、無駄になることは全くないんじゃないかなぁ?
— 煉獄のHaraKit(ハラキット) (@Mrktr_harakit) 2019年4月19日
Webマーケターが将来安泰なのかと言われても、正直分かりません。ましてやIT・Webの世界は進化が激しいので、今日やっていることが1年後、2年後には化石化している、なんてこともあります。
ですが、Webという限られた範囲とはいえ、マーケティングの仕事に関わっている以上、仕事に困る可能性は大分低いのではないかと考察しています。
というのも、マーケティングが無価値になるのは、全ての人が等しく儲かりお金に困る人が完全にいなくなった場合か、人類が絶滅した場合くらいなので。
つまり、マーケティングの仕事はつぶしがきく、ということです。
未来のことはわからないが、マーケティングの仕事が無価値になることはない。
Webマーケティング業界の動向ってどうなの?
せっかくなので、データに基づいてWebマーケティング業界を分析してみます。
2019年に電通より発表された「日本の広告費」のデータをもとに、解説したいと思います。
インターネット広告費は年々右肩上がりで増えている

これは電通が発表した業界全体のインターネット広告費用の推移(どれくらい使われているか)に関するデータ(『2019年 日本の広告費』内のPDFファイル)を元に、私が加工したグラフです。
見ての通り、2005年では3,777億円だったインターネット広告費用が、2018年には1兆7,589億円と約4.7倍近くにまで伸び、更に2019年にはインターネット広告費の総額が2兆円を超えたことが分かります。
2019年にはテレビメディアを初めて上回った

インターネット広告費が、6年連続2桁成長でテレビメディア広告費を超え、初めて2挑戦超え
電通「2019年 日本の広告費」より
2兆円を超えるってどれくらいの規模かというと、インターネット広告費の総額がテレビメディアのそれを超える程になります。つまり、広告の市場はテレビよりもインターネットの方が上ということなんです。
一方で広告費総額はそんなに変わってない


一方で、広告産業全体も含めた総広告費を見ると、2007年の70,191億円がピークでそれ以降はそれ以上の数値を出した年はありません。
よって、広告業界全体は別に成長しているわけではない、ということが分かります。
以上のデータから、インターネット広告産業がここ10年ちょいで大きく伸びていることは間違いないといえます。そして、近年のテクノロジー発達スピードからこの傾向はしばらく続く可能性は高いと思われます。
つまり、インターネット広告の産業は「伸びている」産業なのは間違いなさそうです。ただし、広告業界全体が成長しているわけではなく、マスコミ四媒体等の既存メディアのパイを奪う形で伸びていると考えて良いでしょう。
- インターネット広告産業自体は右肩上がりで伸びている。
- しかし一方で、広告産業自体は成長しているわけではない。
- 従って、これまでの媒体が持つパイを奪う形で伸びていることになる。
- いずれにせよインターネット広告は伸びているので、Webマーケティングの価値や需要は今後も伸びると考えられる。
Webマーケティング業界の平均年収はどれくらい?

産業が伸びているのなら、平均年収も高いんじゃないの?実際どれくらいなの?って思う人もいるかもしれませんよね。こちらも実際に見てみましょう。
Webマーケターの平均年収はどれくらい?
Webマーケターの平均年収は、ざっとこんな感じ。パーソルキャリアの転職支援エージェントさんから実際に伺った、Webマーケターの平均年収です。
20代:300万円〜450万円
30代:450万円〜600万円
40代:600万円〜800万円
注意書きすると、私が伺った年収は地方都市在住の場合であり、東京都内在住だと更に+100万円が妥当な年収金額になります。
よって、都内で働くWebマーケターであれば、20代でも年収は500万近くまで届き、また40代であれば900万くらいまでは到達できる、という計算になります。まぁ決して悪くはない数字なんじゃないかなと。
Webマーケターの年収についてはこちらでも詳しく書いているので、気になる方は読んでみてください。↓

Webマーケティングは副業・独立が狙える
Webマーケターの平均年収を高いと感じるか低いと感じるかは、ぶっちゃけ人によるでしょう(個人的には羽振りが良さそうだなぁと感じます)。
しかしもう1つ大きな特徴があります。それは、Webマーケターは副業や独立によって年収や働き方を自分である程度コントロールできることです。
例えば、20代の会社員で年収400万円の人がWebマーケティングの副業に取り組んだ結果、副業収入が50万円になったとします。すると、合計年収は450万円になりますよね。
こうしてみると、「だったら年収500万以上の会社に転職した方がよくね?」って多くの人が感じるかもしれません。
年収が伸びなくても主体的な行動により幸福感が高まる
しかし、副業において重要なのはその「中身」です。本来副業は誰かに強制されるものではないため、個人の自由意志に依存します。
副業ってたとえ大きく稼げないとしても、「自分がやりたいことを自ら選び、そして自己責任のもとでやれている状態」で、実はすごく人生の幸福度が高まる要因です。人生の主導権を自分で握ることができるため、人生に対して前向きになれるんですね。
実際、神戸大学は2018年に実施した「生活環境と幸福感に関するインターネット調査」の結果から、次のような発表をしています。
出典:所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる 2万人を調査 | Research at Kobe 年齢との関係では、幸福感は若い時期と老年期に高く、(略)所得との関係では、所得が増加するにつれて主観的幸福度が増加(略)。
また、幸福感に与える影響力を比較したところ、健康、人間関係に次ぐ要因として、所得、学歴よりも「自己決定」が強い影響を与えることが分かりました。
これは、自己決定によって進路を決定した者は、自らの判断で努力することで目的を達成する可能性が高くなり、また、成果に対しても責任と誇りを持ちやすくなることから、達成感や自尊心により幸福感が高まることにつながっていると考えられます。
(引用:幸福感と自己決定―日本における実証研究 より)
つまり、お金以上に「自らの意志で物事を決断し目的を果たそうと努力すること」自体が、人間の幸福感に大きな影響を与えているのです。
Webマーケティングの場合、まさに自分の自由意志で副業や独立に挑戦できるため、仕事を通じて幸福感を得やすいといえます。
- Webマーケティングの年収は、20代で500万に届く。
- Webマーケティングのスキルを磨けば、独立や副業も狙える。
- キャリアの選択肢が広がり自らの意志と主体性で道を切り開けるため、たとえ稼げないにしても、自らの行動に誇りを感じて幸福感を得られる。
AIや機械学習で人間の仕事が自動化されるのでは?

インターネット広告産業そのものは確かにすごい勢いで成長しています。
ですがIT/Web業界って変化が早いし、技術革新も進んでるので、将来的には仕事がなくなるんじゃないの?って思う人もいるでしょう。近年ではAI(人工知能)や機械学習アルゴリズムの発達等もありますし、目が離せないですよね。
今後Webマーケティングの分野においてもAIや機械学習等による仕事の自動化は、どんどん進むものと思って間違いないです。
Webマーケティングも間違いなく影響を受ける
仕事の自動化は、Webマーケティング業界においても間違いなく影響を受けるでしょう。いやむしろ、自動化の恩恵を受けてすらいるといっても良いです。
例えばGoogleのリスティング広告では、これまでほぼ大半の作業を人間の手で作業で制御してきました。
しかし近年では、Googleの機械学習アルゴリズムの精度が格段に上がったこと、またキーワード単価を自動で調整する「自動入札」と呼ばれる機能が使えるようになりました。
今後Googleは、こうした機械学習アルゴリズムのアップデートに力を入れることが予想されるため、広告運用の作業は自動化がどんどん進み、これまで人間が担っていた一部の仕事が減っていくことが予想されます。
しかしマーケティングの実務経験は一生に渡って使えるよ
では、これからWebマーケティングを始めるのは無駄かと思われるかもしれません。しかし必ずしもそうではありません。
自動化が進むことは、すなわち「機械ができること・得意なこと」と「人間ができること・得意なこと」が明確に棲み分けされることを意味します。
つまり、人間によるこれまでの手作業を、自動化が進むことにより効率化することができるようになるので、必要以上に人間が頑張らなくて済むようになるんですね。
そうなると今度は人間にしかできないことの重要性、つまり自発的に物事を考え、無から有を生み出せる人間の創造性や知性が、今まで以上に価値を持ちます。
マーケティングでは人間の心理面についても知見が求められるので、例え技術面での仕事がAIによって替えられても、マーケティング活動を通じて得られる『人間(心理)への理解』は、決して無駄にはならないと言えるのではないでしょうか。
- Webマーケティングの仕事においても、AIによる影響は必ず受ける。
- しかし、人間という数千年以上変化していない生き物を対象にしたマーケティングの技術は、今後も陳腐化する可能性は限りなく低い。
まとめ
Webマーケティングの将来性についてまとめると、次の通りです。
- Webマーケティング業界そのものは伸びている。
- 平均年収はぼちぼち、しかし副業や独立が狙える。
- しかも主体的なキャリアの選択は人生に幸福感をもたらす。
- AIの影響はあるがマーケティングの経験や技術が無駄になることはない。
確かにWebマーケティング業界は伸びて入るし、年収もそれなりにもらえているけれど、自動化の影響は少なからずあるので将来どうなるかは分かりません。
ですが、今は確実に伸びている産業であること、そしてマーケティングの仕事経験は全ての企業が繁盛しない限り価値がなくならないので、やってみる価値は十分にあると言えます。
ぶっちゃけた話、今はアパレルの店員として働いてるけど収入がちっとも増えない、専門スキルが身にかない、勤め続けても早期退職の候補になるかも…など心配するぐらいなら、思い切って転職も考えた方がいいかな、と。
何も考えずに10年、20年と思考停止して働いていたら、富士通を始めとした大手企業よろしく45歳早期退職制度の対象者…、なんてことは今後いろんな職場で起こるでしょうし。
Webマーケティングの適性が高い人なら、WebマーケターやIT系の職業や業界動向、転職市場について知っておくだけでも、将来取れる選択肢も全然違うと思いますよ。

最後に:マーケティングの恩恵は計り知れない

今の御時世、安定した大手の会社に入ることよりも、どんな状況に陥ったとしても自分で仕事を獲得できたり、仕事を創れたりできる方が圧倒的に安定します。
特にマーケティングは、一度しっかり身につけられれば半永久的に使えるスキルなので、マーケティングを学んで得することはあっても損することはありません。
もしWebマーケティングや広告・IT/Web業界に興味がある方は、不安に思ってなにもしないよりも、転職エージェントに相談したり、自分なりに考えて行動を起こしたりしてみてはいかがでしょうか。
転職の意思はなくても、まずは業界を深く知る方かたの情報や知見、最前線で活躍されている方のTwitterをチェックするなど、情報収集するなり何かしらアクションを起こす方が、将来的なリスクヘッジになりますよ。

- 電通|『2019年 日本の広告費」』
- 神戸大学|所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる 2万人を調査
- 独立行政法人経済産業研究所|幸福感と自己決定―日本における実証研究

- Webマーケターとして活躍したい!
- Webマーケティングを用いて更にキャリアアップしたい!
- 未経験だけどWebマーケティングに挑戦したい?
Webマーケターに興味を持ち、更に実務を積んで今よりもさらに上流の仕事につきたいと考えるなら、転職の専門家であるエージェントを活用していましょう。
特に、転職経験が少ない人や、転職初心者であれば、転職支援サービスを使うことで、企業が転職希望者に求めていることが分かります。
人生における重大な決断である転職を失敗させないために、良質なエージェントを活用して、キャリアップに挑戦してみませんか?