この記事では、Webマーケティングの実務で役立つ、もしくは自らのPRポイントやスキルの客観性を証明できる資格について紹介します。
ただ、実際にWebマーケティング業においては、資格それ自体には大きな価値はありません。資格があることよりも、本質的なスキルを有し実務で結果をしっかりと残せることが一番大事なことだからです。
とはいえ、資格は保有するよりも、保有する過程で自らの振り返りを行い、自分自身が理解している箇所、理解できていない箇所を発見するのに丁度良い機会。
そのため、実務経験を重ねた後に自らの振返りと実績の証明のために、資格取得に取り組むのは個人的には「あり」かなと思います。
目次
Googleデジタルワークショップ認定資格
Webマーケティング初心者に一番オススメなのは、このデジタルワークショップです。こちら、Google公認の資格となっております。Webの基礎から、リスティングを始めとしたWeb広告、ソーシャルメディアからメールマガジンまで、Webマーケティングについて幅広く取り扱っている資格です。
認定証を獲得できれば、履歴書への記載もできますが、おそらく評価そのものには大きく響くことはないでしょう。あくまでも、Webマーケティング全体をざっくり捉えて理解する、ぐらいの温度感が良いはず。
各章について問題を解いていき、最後には認定証取得の最終テストを受講して、合格すれば認定証を取得できます。ちなみに、カリキュラムは全て無料で受講できるので、そういう意味でも初心者にはおすすめですね。
実際に受講したときの感想記事↓
- 広く浅くWebマーケティングを学べる。
- 受講料は無料でいつでもどこでも始められる。
- (あまり効果ないが)履歴書にも一応記載できる。
GAIQ(Google Analytics Individual Qualification)
GAIQは、Googleアナリティクスの基礎的な仕様から、実務的な知識を問われる試験です。試験は60分で全70問。おそらく時間切れになることは無いと思いますが、日本語が分かりにくいところがあるため、「慣れ」が必要なのではと個人的には思います。
合格水準は、全体の80%以上で正答を叩き出すことです(つまり、56問正解であれば合格になります)。合格すれば、GAIQの資格を取得できます。試験に不合格だったとしても、そこから24時間後には再試験が可能です(かつては1週間経たないと再受験ができなかったため、大変面倒な試験でした)。
気になる費用ですが、こちらも無料で受講できます。資格の期限は1年で、これを過ぎると資格が失効します。
また、受講の際には、SkillShopのアカウントを作成する必要があります。
受講した感想はこちら↓
- Googleアナリティクスの認定試験。基礎的なことから、細かい仕様も聞かれるため、幅広く勉強が必要。
- デジタルワークショップ同様、受講料は無料でいつでもどこでも始められる。
- 解析系の試験でいえば、おそらく一番手軽に取得できる。
Google広告認定資格(旧Google Adwords認定試験)
Google広告(元Google Adwords)の運用知識、実務能力を問われる試験です。
試験のラインナップは次の通り。
- Google広告基礎
- Google広告検索認定資格
- Google広告ディスプレイ認定資格
- Google広告モバイル認定資格
- Google広告ショッピング認定資格
- Google広告動画認定資格
資格の種類によって、制限時間や問題数が異なります。ただ、どの資格も合格の水準は全体の80%以上となっています。結構厳しめ。
気になる点といえば、問題の内容が古いままだったり、人によっては解釈が異なりかねないような難解な日本語で問われるところがあるため、早く改善すべき箇所が散見されるところですかね。。。
試験を受講するには、GAIQ同様に、スキルショップへのアカウント登録が必要になりますので、GAIQ取得を考えていてなおかつ実務でWeb広告運用をしてる人なら、取得してみても良いかもしれません。
かつて存在したGoogle Partners認定の条件としては、「基礎」と「検索認定資格」もしくは「ディスプレイ認定資格」のいずれかを取得する必要がありました。試験に不合格だとしても、GAIQ同様、24時間後には再受験ができるようになります。
ただ、どの試験も90分〜120分とそれなりに時間を食うので、あまり資格取得に躍起にならない方がいいかなと、個人的には思います(それするなら副業なりしてお金稼げる方が有意義でしょうし…)。
分量ですが、一時間ちょいのボリュームにリニューアルしました。ちなみに資格の有効期限は1年間であり、それを過ぎると失効します。
- Google広告(元Adwords)についての試験を受けられ、難易度は全体的に普通〜少し高いレベル。
- デジタルワークショップ同様、アカウントを作成すればいつでもどこでも受講できる。受講料も無料。
- 試験の数が多く、自分の仕事に必要な資格を取得できればOK
- 資格の期限が1年間とGAIQよりも短いので注意が必要
Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル認定試験(2020年4月現在停止中)
Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル認定試験は、その名の通りで、Yahoo!プロモーション広告に関する試験です。
試験は、ベーシックとアドバンストという2種類に分類されています。ベーシックは基礎的な知識をどのくらい理解しているかを問われ、アドバンストは基礎知識を元にした応用問題や、成果を出すために必要な実務的なことが問われます。ベーシックとアドバンスは両方取る必要はなく、事実上アドバンスのみ取得できれば問題なし。
Googleの資格とは異なり、こちらは受講料は7,313円(税込)がかかり、試験日時・会場がきっちりと決まっています。そのため、Google程気軽に受けられませんね。
試験対策としては、Yahoo!公式のラーニングポータルやジッセン! オンラインという学習サービスを使って試験対策が可能です。試験に合格すると、Yahoo公認の認定資格を得られるようになり、名刺等にプロフェッショナルロゴがYahooから授与されます。
フリーランスとして食べていくなら、持っている方が信用が高まりそうですね。
- Yahoo!プロモーション広告に関する、基礎から実務的な知識を問われる試験。アドバンストのみパスすれば実質的にはOK。
- 試験に合格するとYahoo!公式よりプロフェッショナルロゴを付与される。
- Googleの試験と異なり、こちらは6,648円+531円(税)の費用が発生するので要注意。
ウェブ解析士認定試験
ウェブ解析士認定試験は、その名の通り、Web解析の基本的なスキルから応用的な実務能力があるかを診断する資格試験です。主催は一般社団法人ウェブ解析士協会です。
試験は、初級と上級、スペシャリストの3つに分かれています。
- ウェブ解析士:いわゆる基礎コース。WebマーケティングやWeb解析に必要な基礎的な知識が問われる。
- 上級ウェブ解析士:基礎的なWeb解析スキルをもとに、クライアントや経営層へのコンサルティングや提案スキル向上ができる技術が問われる。
- ウェブ解析士マスター:基礎的な知識を元に、企業での研修で講師として教育できるレベルまで問われる。
試験についてはそれぞれ条件が異なるため、詳細は公式サイトを確認してください。
一番基礎のウェブ解析士では、会場で受けるタイプのものと、オンラインで好きな場所で受けられるタイプの2種類があります。
試験を受けるには、まず事前の講座を受講する必要があります。金額は17,280円(税込・認定費用含)です。
一番基礎にあたるウェブ解析士試験でも、決して気軽に受けられる金額の試験ではありません。もしくは企業からの業務命令があれば、挑戦するくらいでもいいかもしれません。
Web解析士は資格以上に、ウェブ解析士協会が主催するコミュニティ活動に価値があります。
- コミュニティを通じて自分自身を成長させたい人
- コミュニティが抱える求人案件に挑戦or転職したい人
- 会社に依存せず独立して仕事をしたい人
上記に当てはまる人は、資格取得を目指すと良いかもしれません。
- 一般社団法人ウェブ解析士協会が主催する、Web解析の認定資格。
- 初級、上級、スペシャリストの3つに分かれており、それぞれ費用もそれなりにかかる。
- Web解析士の資格自体には然程価値はなく、解析士協会が運営するコミュニティ活動を通じて、自らのキャリアやスキルを伸ばす使い方がGood
SEO検定
SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、検索エンジン最適化を意味します。
つまり、狙ったキーワードにおいて検索結果の上位に表示させるための施策を指します。
主催は一般社団法人全日本SEO協会で、4級から1級まであります。
- 4級:SEOの基礎知識
- 3級:キーワードリサーチと内的要因最適化
- 2級:コンテンツSEOと外部要因最適化
- 1級:ソーシャルSEOとモバイルSEO
受講料は、4級と3級は5,500円、2級は6,600円、1級は8,800円となっています(全て税込)。
受講するには、公式サイトの申込みページから、受講試験と日程を選べばOK。
私個人は、SEO検定については全くの未受講ですが、何がかんだで自分のブログを続けていたら、特定のKWで上位表示する本質的なことは理解できるようになりましたし、別に知識がなくても大丈夫かなぁ、という気はします。
取るべき資格はどれ?
何度もいいますが、資格があるからといって、あなたの給料がアップするとか、他者から絶大に信頼されるとか、多くの場合そういうことは殆どありません。
プロフェッショナルであれば、むしろ持ってて当たり前という見方をされますし、それ以上に大事なのは実務でしっかりと結果を残せることです。
ちなみに、2018年時点で私自身が所有している資格は、デジタルワークショップ、GAIQ、Google広告認定試験(基礎、リスティング、ディスプレイ)です。
…なんだかんだいってそれなりに取得していますが、デジタルワークショップは自分の基礎知識定着のためで、それ以外は会社の業務命令で取得したに過ぎません。つまり自発的に取得したのはデジタルワークショップのみ。
なので、どうしても資格を取得したいというのであれば、デジタルワークショップはWebマーケティングの基礎を無料で広く浅く学べるため、良いかもしれません。
まとめ:資格取得に躍起になりすぎるのはNG
資格を取得することのメリットは、実務を通じて得た知識や経験を体系的に整理できること。
また、業界や専門外の人に対して、客観的に評価された知識や技術を保有していることの証明にもなることも挙げられます。これは将来フリーランスとして独立する人や、Web業界に詳しくない人たちをターゲットにする人にとっては、相手の信頼につながるかもしれません。
しかし、それでもいちばん大事なのは、クライアントの悩みや問題を、自らの技術で解決できるかどうか、つまり保有する資格にふさわしい実力と問題解決能力を発揮できるかどうかです。
どんなに資格を持っていても、目の前の課題を解決できないようであれば全く意味はありません。
Web業界は実力で勝負をする傾向が高いため、資格に甘えず、資格取得を大義名分にせず、日々己の技術を磨き続けることが大切ですよ。
- Webマーケターとして活躍したい!
- Webマーケティングを用いて更にキャリアアップしたい!
- 未経験だけどWebマーケティングに挑戦したい?
Webマーケターに興味を持ち、更に実務を積んで今よりもさらに上流の仕事につきたいと考えるなら、転職の専門家であるエージェントを活用していましょう。
特に、転職経験が少ない人や、転職初心者であれば、転職支援サービスを使うことで、企業が転職希望者に求めていることが分かります。
人生における重大な決断である転職を失敗させないために、良質なエージェントを活用して、キャリアップに挑戦してみませんか?