上記の人向けに書きました。
結論から言うと、未経験者がいきなりの在宅勤務(リモートワーク)をするのは難しいといえます。しかし、だからといって希望がないかというと、必ずしもそうではないでしょう。
上記の理由について、広告代理店や事業会社でWebマーケティングの仕事を経験した立場から解説していきますね。
目次
前提:在宅はそもそも未経験者向けの働き方ではない
まず大前提として、在宅勤務は、実務未経験の人向けの働き方ではありません。このことよくを知っておいてください。
ここでいう実務未経験とは、本当にその分野における仕事をしたことがない、いってしまえば新卒で入社したピカピカの社会人1年目のような人を指します。
おわかりだと思いますが、こうした人は仕事において右も左も分からない状態なのは、想像するまでもないでしょう。
在宅ワークが未経験者に難しい3つの理由
では在宅勤務が未経験者にとって難しい理由を、3つに分けて説明します。
- 時給評価が基本的に不可能
- コミュニケーションに制限が掛かる
- 自宅の仕事環境が整いづらい
それぞれについて解説していきますね。
理由1.時給での評価が基本的に不可能
アルバイトや派遣社員の場合、大抵は時給制ですよね。時給制とは、その名の通り時間をお金に換算する考え方です。
この時間給が成り立つのは、決められた時間に従業員を管理するマネージャーなり管理職が、時給制のスタッフをしっかりと監督できるからです。
また、時給制のスタッフも決められた時間に出勤することで、契約の通りにこなしたものと扱われます。必ずしも成果物で成果を出したとか売上を出したかは、時給制においては問われません。
身もふたもないことを言ってしまえば、出社して椅子に座ってさえいればお金がもらえます。経験者だろうが未経験者だろうが、基本的には同じです。
しかし在宅でのリモートワークだと事情は変わります。なぜならオンライン上でしか従業員をチェックできないからです。
そうなると、仕事の評価はオフィスに出勤することではなく、仕事が進んだかどうか、溜まっているタスクをきちんとこなしたかといった成果物の部分が評価すべきポイントになります。
こうなると厳しいのは未経験者です。なぜなら実務経験が乏しいため、仕事を契約通りにこなすことはもちろん、雇用主が期待する以上のパフォーマンスを出すことは至難の業だからです。
なので、雇用契約を結ぶのが難しいですし、仮に結んだとしても更新停止なり試用期間で終了となります。
それに、会社員でリモートワークがOKとされるのは、基本的に会社(社員から見たら上司・管理職)から一定の信頼関係を築けている人です。「この人なら、ちゃんと仕事してくれるだろう」と評価者が安心して仕事を任せてもらえる程の信頼関係がないと、管理職側は不安を感じてしまいますので。
よって、在宅勤務は、そもそも実務未経験者にはハードルが高い働き方なのです。
理由2.コミュニケーションに制限が掛かる
実務未経験者の場合、まずは現場で先輩社員からの指示に従って仕事を遂行したり、時には先輩に相談しながら仕事を教えてもらいつつ進めることになります。
当然、そのためには実務未経験者と先輩社員は、基本的に密にコミュニケーションを取る必要があります。チャットワーク等のチャットツール上だけではなく、時には未経験者が操作したモニターを先輩がチェックしたり、時には操作方法等をレクチャーしてもらうこともあるでしょう。
もうおわかりだと思いますが、在宅勤務となるとオフィスの中でのやりとりのように、先輩と未経験者が同じ場に居合わせて仕事をすすめるのは無理です。せいぜい、オンライン上でのやりとりが限界でしょう。
そうなると未経験者は、基本的に自分一人で調べて仕事を進めることが強制になるのですが、当然ながら経験値が乏しければ乏しいほど、仕事を進めるスピードは遅くなります。
なので、未経験者にとってリモートワークを任されるのは、崖から突き落とすどころではなく天国から地獄に突き落とすぐらいのインパクトがあるのです。
理由3.自宅の仕事環境が整えづらい
これは未経験者に限った話ではないですが、在宅勤務の場合、自宅を仕事場にする必要があるのですが、これ自体がそもそも難しいケースがあります。
自宅とは基本的に息抜きをしたり、仕事を忘れて過ごす場所であることが大半の人にとって当てはまりますし、自分以外の家族がいるならば、家族の世話や家事も同時遂行する必要があるからです。
仕事についていえば、経験者はある程度仕事の進め方や要領を心得ていますが、未経験者の場合はそうではありません。なによりまず、仕事の進め方や業務知識のインプットなど、仕事の「型」を作るところからがスタートです。
…以上、未経験者が在宅で仕事(リモートで仕事)をするのが難しい理由を、3つに絞って解説しました。
ここまで書けば、未経験でもリモートしたい!という人の希望をこれでもかというぐらいにへし折ることができたかと思います(へし折りたいというよりは、在宅ワークの現実を知ってもらって、必要以上に幻想を見てほしくないという願いが強いです)。
そもそもWebマーケティングは在宅勤務できるの?
ここまで見た人で、そもそもの問題としてWebマーケティングの仕事は在宅でできるのか?と思う人もいることでしょう。
まず結論として、Webマーケティングの仕事は在宅で可能です。
SEOにせよリスティング広告にせよ、Googleのプロダクトページに入れたり、スプレッドシート等で資料を共有すれば、仕事を進めることはできます。なので、Webマーケティングの仕事を在宅でやりたいという夢は叶えられます。
私の今いる現場でも、広告運用を任されている社員さんが在宅勤務で仕事をしていますし、中には週5回の内1日だけは、東京の紀尾井町にあるYahoo! Lodge(現在は閉鎖中)でリモートワークをしている社員さんもいらっしゃいました。
しかし一方で、Webマーケティングの領域は非常に広く、在宅でこなせる部分があるものの、オフィスで集まることで良いアイディアが出せたり、自分ひとりでは解決できない部分を同僚や先輩からフィードバックをもらうことでブラッシュアップするといった、オフィスならではのメリットが多いのも確かです。
Webマーケは在宅やリモートで働ける一方で、従来のオフィス勤務にも良い点がいっぱいあることは覚えておいてください。
在宅ワークを実現したいならどうすればいい?
在宅にも魅力があるのも厳しい現実があるのもわかった!
だがそれでも、私はWebマーケティングで在宅でやりたい!
…このように望む人は、現実的にはどうすればよいのかを考えていきます。
その1.まず実務経験をしっかり積む
まず言うまでもないですが、始めの1〜3年はちゃんと出社してしっかりと実務経験を積みましょう。いきなりのリモートや在宅勤務は、確かに可能とはいえWebマーケティングの分野でも大変です。
リモートや在宅は自分の力で自走できる、自律したビジネスパーソンだからこそできる働き方ですので。
その2.在宅ワークOKな会社に転職する
そして意外と難関なのが、リモートワークやテレワーク、在宅勤務をOKしてくれる会社に入社することです。
残念なことに、日本の企業はIT企業でさえリモートワーク、在宅ワークを認めない会社が多いのが現実です。ぶっちゃけ、なんのためのITなんだよと言わざるを得ないのですが。。
そのため、転職活動や就職活動の際、在宅勤務ができるスタッフがいるかどうか、会社の代表がリモートや在宅に対して寛容な考え方の人物であるかどうかなどを、しっかりとチェックしましょう。
その3.各自で独立・副業をして個人サービスを作り展開する
そして3つ目は、もはや会社員としてではなく、個人事業主やフリーランス、あるいは起業家として自らの働き方を決めてしまう方法です。
ただしこの方法は、(言葉は不適切かもですが)会社員として雇用が守られるメリットを一切失うため、誰もが手を出すべきではありません。
仮に副業でやるにしても、本業の会社勤めで残された時間を使うため、1日のうち稼働できる時間も体力も限られます。
ただし一方で、起業する準備として副業に取り組み、時間と場所にとらわれないような働き方ができるよう自分で準備を進めていくのはありだと思いますよ。
もしも自分が作ったサービスがうまく当たれば、一気にお金の流れが変わりますので、ロマンがあるのも確かです。
その4.オンラインスクールを活用する
そして第4の選択が、「Webマーケティングを学ぶスクールの活用」です。
未経験の人がいきなり在宅で働くなら、最も現実的なのがこの選択肢だと考えられます。
その理由は、未経験からの転職の場合、大半の企業では最初にOJT(職場で仕事をさせながら教育すること)が必要になります。しかしWebマーケティングのスクールを使うことで、現場に入る前から広告運用の考え方からオペレーションまで、OJTでないと身につけるのが難しかったことを一通り身につけられるためです。
受講料が掛かること、そして在宅ワークができる転職先に転職できる保証はありませんが、未経験からでもロケットスタートできるのも大きな魅力の1つです。
なお、Webマーケティングスクールの一例も紹介しておきますね。
いずれも完全オンライン対応なので地方在住者も受け入れており、在宅で学ぶことができるほか、現在仕事をしている人でも受講が可能です。
無料説明会を開催しているので、気になるものは参加して雰囲気を掴んでみましょう。
Webマーケティングを学べるスクールの一例
- マケキャンbyDMM.com
:未経験から正社員転職を保証する。
- WANNABE Academy
:未経験から実務経験ありのWeb広告運用者になれる。 - WEBMARKS
:SEOマーケターとして独立支援を受けられる。
最後に:在宅勤務はまずは自分に実力をつけてから
以上、未経験でもWebマーケティングで在宅勤務はできるのか?について解説しました。
まぁ結局のところ、未経験の内ではリモートワークをするのは厳しいため、まずは実務未経験の状態を脱するところからスタートするのが在宅勤務やリモートワークを実現するための最短距離なんじゃないかなと思います。つまり、急がば回れです。
幸いにも、未経験からであってもWebマーケターへの転職は可能です。正社員でも派遣でも自分の希望する働き方に合わせて選ぶもよし、とにかく数打つためにどちらもエントリーするもよし。
最近であれば、未経験からでもWebマーケターに転職できるマケキャンbyDMM.com

- Webマーケターとして活躍したい!
- Webマーケティングを用いて更にキャリアアップしたい!
- 未経験だけどWebマーケティングに挑戦したい?
Webマーケターに興味を持ち、更に実務を積んで今よりもさらに上流の仕事につきたいと考えるなら、転職の専門家であるエージェントを活用していましょう。
特に、転職経験が少ない人や、転職初心者であれば、転職支援サービスを使うことで、企業が転職希望者に求めていることが分かります。
人生における重大な決断である転職を失敗させないために、良質なエージェントを活用して、キャリアップに挑戦してみませんか?
はじめまして、HaraKit(ハラキット)様。
WEBマーケターに関する在宅勤務記事(https://kyo-kun.com/working-from-home-for-beginner-webmarketing.html)を拝読させていただきました。
そのうえで1つ質問があります。一般論で構いませんのでぜひお教えいただけないでしょうか?
私はハラキット様と同じ20代後半からWEBマーケターとして異業種転職をするものです。すでに転職先も決まり、新人WEBマーケターとして頑張っていく所存です。
ですが、私の一番のキャリアの目的は【在宅勤務】にあります。というのも、私自身対人関係のストレスで精神疾患にかかったこともあり、自分がオフィスで働くことに医師も賛同はしていないからです。
これから務める会社は原則として在宅勤務制ではなく、オフィスを構えて出社するのがスタンダードです。
WEBマーケターとして新人の身でいきなり在宅勤務など出来るはずもありませんが、現在の広告代理店を2年程度(30歳時点)の勤務経験後に、完全在宅勤務の広告代理店や事業会社に転職するという選択肢は、現実的には難しいものでしょうか?
ハラキット様がブログ内で【1年~3年程度の実務を積んでから考えましょう】とおっしゃっていたので、更に深掘って質問させていただきました。
もしお時間ありましたら、ぜひともアドバイスいただけますと幸いです。長文失礼致しました。
それでは、取り急ぎ失礼致します。
シュン様
コメントありがとうございます。
>WEBマーケターとして新人の身でいきなり在宅勤務など出来るはずもありませんが、現在の広告代理店を2年程度(30歳時点)の勤務経験後に、完全在宅勤務の広告代理店や事業会社に転職するという選択肢は、現実的には難しいものでしょうか?
こちらについての質問ですが、私個人の回答としては「不可能ではない」だと考えています。というのも、企業の採用事情はコロナの影響もありかなり変化があることと、採用とは究極的には「求人を出す会社次第」だからです。
もちろんどのような働き方(正社員、フリーランス、起業など)を目指すかにもよりますが、転職を想定するのであれば、究極的には「勤務年数よりも企業が採用したいと思える人材になれているか否か」が全てだと言えます。
幸いにも、(エンジニアほどではないですが)デジタルマーケティングの業界でも、転職は比較的当たり前に行われるため、数年の実務経験を通じて別会社に転職をされる方はいらっしゃいます。
ブログの中で「1〜3年程度の…」述べたのは、これくらいの期間で一通りの仕事の流れが掴めるようになる(つまり在宅でも自走できるようになる)目安だと判断したためです。なので、勤めてる会社での仕事内容や個人のポテンシャルによっては、期間が変わる場合もありえます。
いずれにせよ、将来在宅勤務で働くことを希望するのであれば、現時点で「在宅勤務を導入している企業はどこか」であったり「今の会社が在宅勤務を導入する見込みが本当に無いのか」等は、今のうちから調べ始めても遅くはないと思います。近年では、フルリモートの副業社員を求める企業(主にスタートアップが中心ですが)も増えてきているため、そうした企業から正社員採用につながるケースもあるなど、比較的チャンスは掴みやすいのではないかと思われます。
ご参考いただけますと幸いです。
そして、シュン様のWebマーケターとしてのキャリアスタートを、心より応援いたします。